美しい彼eternalの映画と原作の違いを比較!鏡のシーンなどストーリーの描写改変について解説


美しい彼「流浪の月」で本屋大賞2020を受賞した小説家・凪良ゆうのBL代表作

BLアワード2015で第1位を獲得した学園BL小説

2021年に萩原利久と八木勇征のダブル主演で実写ドラマ化されました

そしてTVドラマだけではなく、2023年4月に映画となって公開

今回はそちらの映画『美しい彼 eternal』についてです

原作と違うポイントがあるようですので解説します



美しい彼eternalの映画と原作との違いを比較

実際に映画館で見た人のほとんどが指摘しているポイントがあります

原作と違うのは何で?という感じ

気にならない人は気にならないかもしれません

それらを解説していきましょう

映画と原作で違いのあるポイント 映画 原作
カメラマンの野口について 平良と清居の関係に気づいていない 平良が清居を好きなことに気づいて清居を撮影するチャンスをセッティングする
引っ越しのタイミング 引っ越し先は探しているが結局引っ越ししない 平良の親戚の家から引っ越した後に安奈のスキャンダルが発覚
SNSのアカウント名 自分で自分の投稿を見せて”いしころ”だとバレる 映りこんだ指で平良だとバレるがバレていることを清居は言わない
野口の木村伊兵衛賞 スタジオに野村伊兵衛と書いた表彰の盾がある 狙ったが取れなかったと言っている
安奈の水に濡れての撮影シーン すぐ安奈の事務所からOKが出る 事後申告で良いと野口が強行する
野口が清居を撮影するシーン 存在する 存在しない
安奈のスキャンダル写真 安奈が桐谷恵介に車でおくってもらった写真 桐谷恵介の実家の果樹園での写真
安奈のスマホ そのまま持っている 事務所の社長にとりあげられてしまう
安奈の潜伏先 平良と清居の暮らす家 平良の親戚の家
清居が監禁されるシーン 安奈は現場に現れない 安奈も現場に現れ清居の縄をほどく
鏡のシーン 平良は病院を抜け出さない 平良は入院するが病院を抜け出す
平良が清居の写真を撮る 安奈・桐谷・清居の3ショット 清居だけを撮る
平良が卒業式のあと 平良と清居の二人で高校へ行く まだ卒業していない

カメラマンの野口

和田 聰宏が演ずる有名カメラマンの野口 大海(のぐち ひろみ)

平良がアシスタントをしています

野口は以前の自分と作風が似ているかもしれないと平良に目をかけています

原作では安奈と桐谷の写真を撮れと平良に指示した時の混乱の中で

野口も平良と清居の恋人関係に気づきますが

映画では二人の関係には気づかない設定

清居しか撮りたくないということはわかっているようですが

こんな指摘もあります

引っ越しのタイミング

平良の従妹の菜穂が夫と別居するので実家(平良と清居の暮らす家)に戻ってくるとなり家を明け渡すことになる

原作では実際に二人はマンションに引っ越す

しかし映画では二人は引っ越し先を探すものの

菜穂が二人の仲を察して自分たちは別に家を探すから二人は引っ越さなくてよいと言い出します

 

SNSのアカウント名

平良が清居を絶賛するTwitterのアカウント名が”いしころ”

原作では画像に映りこんでいる指のホクロで清居はこれが平良であると確信します

しかし平良に確認することはしません

映画では平良が自ら清居に自分の投稿を見せて

清居に『いしころってなんだよ』と突っ込まれています

野口の木村伊兵衛賞

原作ではカメラマンの野口はこう言っていました

自分もカメラマンの芥川賞と言われる木村伊兵衛賞にあこがれる時期はあった

自分は取れなかったが平良には史上最年少でとってほしいと

しかし映画では野口のスタジオに作品『夜明け』村伊兵衛と書いた盾が置いてあるのが映ります

(映画では村伊兵衛賞となっています)

暗に野口は木村伊兵衛賞を取っているということでしょう

安奈の水に濡れての撮影シーン

原作では、平良もアシスタントで参加した野外での安奈の撮影時

ゲリラ豪雨になると言われたカメラマンの野口が

中止にするのならいっそ川の中で濡れて撮ろうと言い出す

安奈はオッケー出すが事務所的にどうなのかという声が上がり

そんなの事後承諾でいいからと野口は進めていく

そんなシーンなのだが映画では、すぐにマネージャーが事務所の社長に連絡して承諾を得ます

カメラマンが横暴だというイメージを嫌ったんでしょうけれど、なんかことなかれな気がしてちょっと引っかかる感じです

野口が清居を撮影するシーン

これ、原作には存在しないシーンです

野口がスキャンダルの中の芸能人全てと近しいという設定にしたかったんでしょう

映画のストーリーというかイメージ作りのためですね

安奈のスキャンダル写真

原作では相手のアイドル桐谷恵介の実家の果樹園での2ショット

これでは言い逃れできないと言っていました

映画ではクルマに乗った桐谷恵介と安奈がクルマの窓越しに会話しているような写真

ロケの手間を省いたんでしょうか

ちょっとやっつけな感じです

安奈のスマホ

スキャンダル発覚後にホテルにこもった安奈は原作では批判の声を見てしまうのはいけないと

事務所の社長がスマホを取り上げてしまいます

映画ではホテルに潜伏中の安奈のところに清居達が行くと

ホテルのベッドの上に安奈のスマホがありました

実際、エゴサーチするのであればPCでもできますから

あまりスマホを取り上げるのは得策ではないでしょう

安奈の潜伏先

原作では安奈の潜伏先は平良の親戚の家で従姉の菜穂さんの実家

叔母さんの住んでいる家でした

映画では平良と清居の住んでいる家で

でも同居するのは平良でも清居でもなく

菜穂さんが同居します

この辺もロケの都合のような気がしますね

清居が監禁されるシーン

安奈のファン(設楽)が清居を監禁するシーン

原作では設楽が清居を殴って清居のスマホのパスワードを聞き出し

清居のスマホから安奈に電話して監禁場所に来るように言う

安奈が平良に連絡して平良と安奈で現地に向かい

安奈が清居の縛り上げられている結束バンドを切ります

 

映画で安奈は監禁場所に来ませんがそのあとの展開

平良が設楽を殴り飛ばして、でも反撃にあって頭を打って入院

設楽は自分で 自分を刺してしまい入院というところは

原作も映画も同じです

鏡のシーン

原作では深夜に清居が平良の病室に現れて、ふたりで勝手に家に帰ってしまう

家でラブシーンが繰り広げられて例の鏡のシーンになるのだが

映画では病院を抜け出しません

ここはハードなカラミは避けてR指定を回避するためでしょう

賢明だと思います

平良が清居の写真を撮る

原作では清居の監禁事件もあってスキャンダルを克服した安奈と桐谷のカップルが世間に認知されるため

カップルの写真を野口が撮影することになった

その際に清居もモデルとして急遽参加して被写体が3人となった

写真を平良も撮ることになった

もちろん清居だけではなく3人の写真

映画では3人を撮れと言われるのだが安奈と桐谷には外してもらって清居だけを撮影します

平良が卒業式のあと

原作では平良はまだ大学を卒業していないので

卒業式の後、という設定は存在しません

しかし映画では平良の大学の卒業式の後に平良と清居の二人は出身高校に行きます

そこから二人の夢の世界みたいにキラキラになっていくのですが

その感じは映画で体験してみてください

なぜ映画は原作と違うのかを考察

まず、原作通りに映画を作るとR指定

実際にネットフリックスではTVドラマの配信がR指定になっています

ほほえましいゲイカップルのハッピーエンドとして

万人ウケというか、マニア向けではない落としどころを探ったのでしょう

でもこの展開ではこの先の話、続編につながるのでしょうか

清居が舞台の演劇に出る際に役作りに苦しんで太ってみたりするとか

平良が個展にむけて鬼気迫る写真を撮っていくとか

話がつながらのではないでないしょうか

だいたい大学生で木村伊兵衛賞という目標だったのに

卒業しちゃっていますから

ここで完結、で良いんですか?と疑問は残ります

まとめ

美しい彼eternalの映画と原作の違いを比較!鏡のシーンなどストーリーの描写改変について解説という記事でした

映画と原作ではおおまかなエピソードは似た感じになっていますが

原作ではまだ平良は大学生で個展に向けて準備中

清居は舞台を苦労して成功させ俳優として一皮むけたところ

いずれもこの先どうなる?という期待感を持たせています

映画では平良が大学卒業して二人の仲もハッピーエンドで終わっています

ハードなカラミはなくてもよいですけれど

ここで完結させるのはちょっともったいない題材ではないでしょうか

皆さんも映画館で見てから原作もチェックしてみましょう

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