映画“竜とそばかすの姫” 米アカデミー賞にノミネートされるなど、日本以外でも人気のアニメ映画です。
重要な役割の脇役として、メタバース(仮想空間)内にクリオネのような天使がいますね。
映画の中では、現実世界での誰がこの天使のアバターを使っていたのか明かされていません。
でもこの人だというのがいますので、それをこれから解説していきます。
ネタバレですが、それは、竜の正体、恵(ケイ)の弟の知(トモ)です。
理由を列挙していきますね。
なぜそう断定するのかは、いくつかの理由があります。
論理的に解析していくことができますよ
それらを一つ一つこれから解説していきます。
解説の前に、置いてけぼりになっている人のためにちょっと仕組みを解説します。
メタバース=仮想空間(映画の中ではUがこれにあたります)のなかでは、自分のキャラクターを設定することができます。
おっさんなのに小学生のキャラになってみたり、動物になってみる事もできます。
あつまれどうぶつの森を想定してみるとわかりやすいですね。
そのメタバース内でのキャラクターが今回のUではAs(アズ)と呼ばれます。
こういう仕組みなので、Asには必ず現実世界での人がいます。
それがオリジンと言われる存在です。
まずこの背景設定を理解お願いします
それでは本題のお話をしていきましょう。
5つのポイントに付いて解説していきます。
主人公のそばかすの姫、ベル(現実世界では鈴)が竜のお城を 探しに行く場面です
マスコットのようなAIたちに翻弄されて、なかなか城にたどり着けないベルに天使は『僕と遊ぼう』と言って、城に誘導します。
天使は竜の城の場所を知っているということです。
ジャスティスという、自称警察団が捜索し、それでも場所がわからなかった竜の城の場所を天使が知っているということは、天使は竜の側近だという事ですね
天使が知(トモ)であれば、兄の城ですから、場所を知っていても不思議はありません。
映画後半の、竜の現実世界での姿をネットで捜索するシーンで、知(トモ)は竜とベルしか知らないはずのベルの未発表の曲を歌っていました。
これが決め手となって、鈴たちに恵と知の部屋からのライブ配信が発見され、さらに恵が竜であると判明するきっかけになります。
竜とベルしか知らないはずのベルの未発表の曲を歌っていたということは、この歌が歌われたときに現実世界で、恵と一緒にいたと考えられます。
そんな可能性があるのは、弟である知だけです。
ディズニー映画の美女と野獣のように、竜とBelleが歌い踊ったあとで、城の上の階、天井のない、バルコニーのようなところへ移動します。
すると、突然竜がうずくまって、苦しがり、背中のアザが光るシーンがありますね。
このときに天使も一緒に倒れています。
これは現実世界で恵と知の父親が、彼らに暴力を振るっている状況をあらわしています。
現実世界では、恵が弟の知の上に覆いかぶさって、知をかばっています。
その時にぶたれている部分が光っているのでしょう
天使が一緒に倒れているということは現実世界で一緒に父親に叱られていると思われ、これが当てはまるのは弟の知と考えるのが妥当です。
Belleが最初に竜の城に行ったときに、天使がふわふわと螺旋階段を上がっていって、バルコニーに行くシーンがあります。
その時に竜は、『待って』とか『大丈夫だから』と、家族か友人のような、優しい口調で天使に話しています。
そっと両手で天使を捕まえています。
Belleも、その優しい感じに、『あなたの本当の姿はどっち?』と声をかけています。
竜が凶暴なのは本来の姿ではないんでしょう?という意味ですね。
竜としては凶暴なキャラクターを演じていたのに、天使に対してはこの優しい感じになるということは、現実世界でも優しく接している相手だからと予想できます
作品中に出てくるキャラクターで現実世界でも恵が優しく接しているのは弟の知だけです。
これを言われちゃあしょうがないな、という元も子もない情報です。
スタッフロールを見るとわかりますが、知も天使もどちらも声はHANAです。
HANA(Hana Hope)は当時まだ15歳のシンガーソングライター、ピアニストです。
13歳の時にYMO結成40周年トリビュート・コンサート「Yellow Magic Children」にゲスト出演。
元Deee-Liteのテイトウワの楽曲「BIRTHDAY」や『MAGIC』にも参加しています。
日本人なの?と思うようなルックスですが東京出身です。
ネット上では知は自閉症と断定しているような記事もいくつかあります。
では断定できるような材料が映画や原作本にあるのでしょうか?
検証していきますね。
言語の発達の遅れ、対人面での感情的な交流の困難さ、あるいは全くの無関心、反復的な行動を繰り返す、行動様式や興味の対象が極端に狭い、常同的に奇声を発する、手をひらひら動かす、極度の自己中心的思考になる、物を列や幾何学的に整然と配置する、被害妄想を持つ、ストレスによる他害行為などの様々な特徴がある。(引用:ウィキペディア)
しかし、鈴とのコミュニケーションに対して、特に問題があるようにも思えず、歌をネット配信するなどの行動も積極的であり、自閉症とは異なる設定と思われます
映画のなかでだれかが自閉症に言及するような決定的なシーンは発見できませんでした。
意思伝達の質的な障害
(引用:ウィキペディア)
つまり、言葉が断片的で、長文を話さないというところがそう見えるのかな?というくらいです。
天使は特に妖精的なキャラクターなので、キャラ設定としてそうなっているだけではないかと思われます。
千と千尋の神隠しでの、カオナシみたいな感じですね
これまで天使について下記の解説をしてきました
1. 竜の居場所を知っていた
2. 竜しか知らない歌を知っていた
3. 竜と一緒に倒れていた
4. 竜が天使を大切に扱っている
5.知が自閉症という説があがっている
映画のなかでも原作の小説でも断定はされていませんが、天使の現実世界での姿は恵の弟である知だと確信できる、という記事でした。